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4.ラテンアメリカという名称の由来


 「ラテンアメリカ」という名称は、国際文化論からの説明によると、19世紀にメキシコに進出したフランス人によって付けられた名前であるとされ、この名称は、北のアングロアメリカに対比した文化的概念を表した名称です。

 フランスは、北米のカナダとルイジアナで開拓を進め、イギリス人よりも広い植民地をつくりあげましたが、その後ヨーロッパにおけるイギリスとの戦争に戦力を集中させたため、北米での領土争いに負けてしまいカナダの植民地はイギリスに取られてしまいました。また、豊かなプランテーション地帯を形成していたルイジアナは、フランスの財政的な困窮からスペインに売り渡されましたが、スペインはこれを40年後にフランスに返し、さらにフランスはこの領土を独立したアメリカ合衆国に譲りました。

                    マヤ文明が築いたピラミッド

 


 18世紀の植民地時代末期になるとアメリカ大陸の人々の間では、本国とは異なる独自性が意識されるようになり、アメリカ人意識が芽生えてきました。そして北アメリカのイギリス植民地が独立してアメリカ合衆国となると、それと区別するためにスペインの植民地だった他の地域は「イスパノアメリカ」と呼ばれるようになりました。しかし南米にポルトガルが植民地を形成していたので、「イベロアメリカ」と言う言葉が使われるようなりました。(「イスパノ-Hispano」 はスペイン系を意味し、「イベロ-Ibero」はスペインとポルトガルが所在するイベリア半島-Iberiaの系列を指す。)

 さらに19世紀にフランスがメキシコに進出すると、以前使用されていたイスパノアメリカやイベロアメリカと言う言葉を避け、メキシコ以南の旧スペイン植民地やポルトガル植民地を独自に「ラテンアメリカ」と呼ぶようになりました。つまり「ラテンアメリカ」にはフランス人の存在もアピールした意図があったわけです。

 

 5.ラテンアメリカ地域


 ラテンアメリカ地域とは、つまりアメリカ大陸の中のカナダとアメリカ合衆国を覗いた、メキシコ以南の中南米地域33カ国をさしています。

 総人口約5億5千万人、GDPにして約1兆9千億ドルという経済規模をもっています。そしてこの内20カ国のスペイン語諸国が中核となり、ポルトガル語を話す唯一の国ブラジルがそれに相当する勢力としており、その他英語、フランス語、オランダ語などを公用語とする小さなカリブ諸島の国々が残りを占めている多民族、多様文化の豊かな地域なのです。人種も多様で白人、黒人、東洋人、先住民(インディオ)などが入り交じって共存している地域です。

また、この地域には独立国ではないけれどもいまだにイギリス、フランス、オランダ、アメリカなどに既存する地方自冶区のような島や領土が10以上あります。たとえばプエルトリコはハワイ同様米国に属していますが、スペイン語を話すラテン人の島です。

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